着物とセットで選ぼう。帯の種類とその特徴

投稿日:2019年08月01日

着物とセットで選ぼう。帯の種類とその特徴

着物は、帯と組み合わせてコーディネートが完成する衣服です。着物を選ぶときは、着物によく映る(釣り合う、引き立てる)帯をセットで選ぶようにしましょう。帯の種類と特徴、どんな着物に合わせれば良いか、など基本的な帯の知識をご紹介します。

帯にも種類、格があるって本当?

着物には礼装、準礼装、略礼装、外出着(洒落着)、普段着などの「格」があり、どんな場所へ着て行けるかが決まっています。帯にも、同じく格があります。帯の格は、帯の幅、長さ、素材、柄、柄の入り方などで決まります。
格の高い着物には、格の高い帯を締めるのが基本。色無地(一つ紋)や付下げのように応用の効く着物は、格の高い帯を締めれば略礼装になり、格の低い帯を締めればカジュアルな外出着になります。

帯の種類と特徴

それぞれ帯の特徴と格には、どのような着物に合わせれば良いかを知っておきましょう。

丸帯

帯の中で最も格の高い帯。広幅の生地を二つ折りにして、芯を入れたものです。生地を二つ折りにしているので、表にも裏にも柄があります。サイズは幅が1尺8寸5分(約70cm)、長さは1丈1尺5分(約4m36cm)前後。表裏に柄があり芯が入っているので重く、現在では花嫁衣装に使われる他はあまり見なくなりました。

袋帯

丸帯に次いで格が高いのが袋帯。柄のある表生地と、すべりの良い素材の裏生地が袋になっています。サイズは8寸2分(約31cm)、長さ1丈1尺(4m17cm)以上。丸帯より軽く、締めやすいので人気があります。柄付けは、以下の3種類があります。

  • 「全通柄」……帯の表全体に柄がある
  • 「六通柄」……垂れ先~お太鼓部分~前面と、手元に4柄がある(現在はこれが主流)
  • 「お太鼓柄」……お太鼓部分と前帯にだけ柄がある

袋帯は、礼装から洒落着まで幅広く締められる帯です。金銀を使った格調の高い柄は礼装・盛装用、軽めの柄は洒落着用と格が異なります。お太鼓に結ぶときは、二重太鼓にします。

名古屋帯

お太鼓の部分は袋帯と同じ幅ですが、胴に巻く部分を2つに折って縫ってあるのが名古屋帯です。幅9寸(34cm)、長さ1丈2尺2寸(4m62cm)以上。柄付きは袋帯と同じく「全通柄」、「六通柄」、「お太鼓柄」があります。胴部分が最初から半幅になっているので簡単に締められます。礼装用の着物には結びませんが、小紋、付下げ、紬に締めることができます。

半幅帯

帯幅が並幅の半分、4寸(15 cm)幅の帯です。並幅の帯を2つ折りにして芯を入れたものや、表裏がある袋帯、単(ひとえ)の帯があります。カジュアルな帯でウールや紬などの普段着や羽織下、浴衣に締めます。帯揚げや帯締めを使わず自由に締められる帯ですが、浴衣などにアクセントで細い帯締めを締めるコーディネートもあります。

角帯

男性用の帯で、 幅約10cm前後、長さ約4mほど。礼装などにも用いられる帯で兵児帯よりも格式があり、博多織、綴織、紬、絽など、正絹から木綿、麻物、和紙で仕立てられたもの迄幅広くあります。

兵児帯

男性または子供が締めるしごき帯です。大幅(約74cm)または中幅(約50cm)の生地をしごいて胴に巻きつけます。縮緬やモスリンの絞染など柔らかな素材が使われます。身体を締めつけない楽な帯で、普段着や浴衣に締める帯です。

かかえ帯

しごき帯、からげ帯とも言います。おはしょりを押さえるため帯の下に締める細い帯ですが、実用というより装飾的に締めるもので、花嫁衣装や七五三の祝い着など特別な場合に締めます。

帯も格によって、締められる着物が異なります。着物を着るときは、上記を参考に格の合った帯を選ぶようにしてください。

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