どうすればすっきり見える? 胸が大きい女性が着物を着る場合の着付け方法

投稿日:2021年08月07日

どうすればすっきり見える? 胸が大きい女性が着物を着る場合の着付け方法

胸が大きい女性が着物を着ると、太って見えたり、衿合わせがピシッと決まらず胸元がはだけたり、トラブルが起こりがちです。そういった場合は、着つけ前に適度な補正をするのがおすすめ。今回は、胸が大きい女性が着物をすっきり着こなせる、補正方法をご紹介します。

胸が大きい女性が着物を着るときに抱える悩みとは

胸が大きい女性が浴衣や着物を着る時に感じる悩みは、以下のようなものがあります。

帯の上に胸が乗ってアンバランスな印象を与える

胸の大きい女性が補正なしで着物を着ると、帯の上に胸の膨らみが「乗った」形になります。胸の膨らみが帯よりも大きく前へ出ると、アンバランスな印象を与えてしまいます。

補正をしすぎて太って見える

補正の際には胸の下にタオルなどを巻いて胸の凹凸をなだらかにします。胸が大きい女性は、凹凸を無くすためにタオルを厚めに巻くので、胴回りにボリュームが出てしまいます。

着くずれする(特に胸元)

衿の打ち合わせは胸の下に腰ひもを締めて留めますが、胸が大きい女性はどうしてもここの締めがゆるみがちです。胸の下の紐がゆるむと衿がはだけやすくなります。

補正をしなければ着くずれる、補正をし過ぎると太って見えたり苦しかったり…。
でも上手な補正のポイントを覚えれば、胸の大きい女性もすっきりと着物を着ることができます。

胸が大きい女性でもすっきり着物を着こなす方法

まず洋服と和服では、基本的に美しいとされる着姿が違うことをおぼえておきましょう。

着物が似合う身体つきとしてよく言われるのは、「なで肩」「鳩胸」「柳腰」です。
デコルテから帯までは胸高で柔らかい曲線を描き、腰は張り出さない。ウエストのくびれが大きいと帯をしっかり結べないので、凹凸の少ない円筒形、つまり寸胴体型が良いとされているのです。

こけしのような円筒形と凹凸のあるひょうたん型に布を巻くことを考えてみてください。円筒形には布がきちっと巻けて、帯を締めてもゆるみません。ひょうたん型に布を巻くと布にはシワが多くできます。くびれに帯を締めると上半身の布は上へ向かって開き、下半身は下に向かって広がります。つまり「衿元が浮き、裾がはだける」という着くずれ状態になりやすいのです。これを避けるために、補正で凹凸を少なくする必要があるのです。

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

和装ブラを着用する

ボリュームを抑えるタイプの和装ブラをつけると、凹凸のなだらかな胸を作れます。着つけでは「胸をつぶす」と言ったりしますが、正確には胸が前へ突き出ないように膨らみを上へ持ち上げて鳩胸に整えるようにします。

ウエストに補正をする

帯の上に胸が乗らないように、トップバストの下からウエストのくびれにかけてタオルや補正具で補正します。三角にたたんだタオルの端でみぞおちの凹凸をなくします。特にアンダーバストが細い方は、腰の横~後ろに補正を入れるとしっかり帯が結べます。

衿元をやや鋭角に着つける

若い女性は衿の打ち合わせを高めにするのが一般的ですが、胸元にボリュームがある方の場合は、打ち合わせ位置をやや下げて衿のV字が鋭角になるように着ます。襟元を鋭角にすると縦のラインが強調され、胸元がすっきりして見えます。帯も両脇がやや高く、正面が心持ち低くなるように締めると胸の大きさが目立たなくなります。

着やせして見える着物を選ぶ

着物を着ると太って見えるという方は、黒や緑、ネイビーなどの濃い色がおすすめです。これらの色は「収縮色」なので、引き締まって見えて着やせ効果が期待できます。避けた方が良いのは、「膨張色」である白や黄色などの明るい淡色。また、横に伸びている柄も体型を強調するので避けた方が無難です。

補正する際の注意点

補正はやり過ぎると、締めつけられすぎて気分が悪くなることもあります。注意するポイントを押さえて、苦しくならない程度の補正を心掛けてください。

  • 胸は「つぶす」というよりも「膨らみを上へ逃がす」ように、鳩胸を意識して補正します。必要以上に締めつけないよう注意してください。
  • 補正タオルは「トップバストの下」から、みぞおちを中心に凹凸を埋めるように当てます。
  • 衿元は打ち合わせをやや浅く、鋭角に着つけてシャープな印象に。

「胸が大きい=着物が似合わない」ということはありません。上手に着つけをして着物を楽しむグラマーさんはたくさんいます。胸が大きい女性は、上手な補正の仕方を覚えて、ぜひ着物を楽しんでください。

一覧に戻る