袴を履く際にはどうする? 靴の選び方について
投稿日:2022年10月23日
卒業式の袴姿の足元には何を合わせればいいでしょうか? 写真などでブーツを履いている人を見ますが、格やマナー的に問題はないのでしょうか? 袴を穿く際の足元について、選び方とポイントを知っておきましょう。
袴をつける際に合わせる履きものにはどんなものがある?
卒業式の袴に合わせるのは、一般的に草履もしくはブーツです。和装本来の着こなしでは、改まった席へ出る着物には草履を合わせますが、袴を着用する場合はブーツを合わせてもまったく問題はありません。
そもそも袴に革靴という組み合わせは古く、女学校ができた明治期まで遡ることができます。日本の女子教育は、外国のキリスト教宣教師夫人が開いた塾に始まります。当時は規模が小さく私塾的であったものの学校へ通えたのは良家の子女がほとんど。そこへ通う女学生たちが動きやすいよう袴をつけ西洋風の革靴を履いたのは、当時としては斬新で先進的なファッションでした。そして1872年に最初の官立女学校ができると、制服として袴が採用されました。短い袴に編み上げブーツを合わせるのが流行したのは大正期、女性の地位向上が謳われた「ハイカラさん」の時代です。
このように現在卒業式に袴を着てブーツを合わせるようになったルーツには、女子教育の歴史があるのです。
袴を穿くときに草履を選ぶメリットと選び方
振袖のような晴れ着には、草履を合わせるのが和服本来の着こなしということで、草履にこだわる人も少なくありません。草履を選ぶメリットには次のようなものがあります。
- 袴+草履は上品なイメージ。
- どんな着物にも合わせやすい。
- 色やデザインは数多くあるのでこだわりのコーディネートが楽しめる。
- 脱ぎ穿きがしやすく、靴を脱いで上がる場でも困らない。
草履を合わせるときは、袴をくるぶしが見えるか見えないかくらいの丈に着付けます。改まった席なので草履は少し高さがあるものが良く、鼻緒や巻き(草履の側面)の色を袴や着物の色と合わせるときれいに見えます。普段草履を履きなれていないと、鼻緒ずれをすることがあるので、歩いても痛くならないように前坪(指の股が当たる部分)や鼻緒を調節して履くようにします。
袴を穿くときにブーツを選ぶメリットと選び方
袴+ブーツの組み合わせは、女学生ならではのコーディネートと言って過言ではありません。ブーツを選ぶメリットは次のようになります。
- 袴+ブーツはオシャレなイメージ。
- 歩きやすい。
- 鼻緒がずれて痛くなったりすることがない。
- ヒールが高いのですらりと足長に見える。
- 雨・雪の日や寒い日でも足元が濡れたり寒かったりしない。
ブーツを合わせるときは袴を短めに、ブーツを見せる丈に着付けます。草履用とブーツ用で袴の丈が違うので、レンタルする場合は注意しましょう。ブーツはかかとが太めのものが歩きやすく疲れません。ヒールが高いブーツはアンバランスになってしまうので3~6センチ程度のものを選ぶようにします。
袴を穿く際に上品に草履を合わせるか、スタイリッシュにブーツにするか。それぞれにメリットがあるので、どちらが良いということはありません。卒業式の天候や自分に似合うのはどちらかなどを考えて、お好みのほうを選んでください。