着物を着たときに補正をする理由と補正方法

投稿日:2021年04月15日

着物を着たときに補正をする理由と補正方法

着物を美しく着こなすためには、きちんと着つけをすることが大切です。そして、着つけの良し悪しは、補正で決まると言われています。どうして補正が重要なのでしょうか。理由を正しく理解すれば、自分の身体に合った補正をすることは難しくありません。

着物を着るときに補正をする理由

着物と自分の身体を、見比べて考えてみてください。着物は襟の部分を除けば、直線裁ちでできた平らな布です。いっぽう人間の身体は、バスト、ウエスト、ヒップと凸凹のある円柱形。真っすぐな円柱と凸凹のある円柱では、ぴったり布を巻きつけることができるのはどちらでしょうか? そう着つけの前にする「補正」とは、身体をできるだけ凹凸の無い円柱形、つまり寸胴体型に近づける作業なのです。

着物を補正するときに使用するもの

着物の補正には、専用の補正用具や補正パッドのついた和装肌着がおすすめです。プロの方に着付けをお願いするとタオルを補正に使ったりしますが、タオル補正はどうしても着ているうちにゆるんだりずれたりしやすいのです。撮影で短い時間だけ着物を着るという場合ならまだしも、着物を着て何時間か過ごすのであればちゃんとした補正具を使うのがおすすめです。

着物の補正方法

体型は人によって違いますが、補正する際に目標とするのは「凹凸の無い寸胴、なだらかな鳩胸」です。目標の体型が分かれば、どんな風に補正すれば良いか分かってくると思います。身体を凸凹の無い円筒形にするためのポイントは、おおむね以下の5点です。

いかり肩の人は補正具を喉元寄りに、逆になで肩の人はなるべく外側へ持ってくるようにします。

胸のふくらみ

胸の豊かな人はブラジャーで苦しくない程度に膨らみをつぶします。胸元がへこんで皺になる人は補正パッドのついたブラジャーでなだらかな鳩胸を作ります。補正しやすいフロントホックタイプがおすすめです。

みぞおち

みぞおちがくぼむ場合はタオルやパッドを入れます。胸下までの補正パッド入り和装ブラジャーが便利です。

ウエスト

くびれの度合に合わせてウエスト用パッドで補正します。ウエストからヒップまで一度に補正できる座布団型パッドも便利です。

ヒップ

ヒップの上のくびれに補正用の腰パッドを巻いてヒップとの段差をなくします。マジックテープで着脱するタイプが伸縮性もあっておすすめです。

補正というと胴と胸にタオルを巻くことと勘違いしている方がいますが、「何をどれくらい、どの箇所に補正するか」は、ひとりひとりの体型によって違います。
自分の胴をどうすれば凹凸のない円筒形にできるか、胸元をしわのないきれいな鳩胸にするにはボリュームを抑えるのか加えるのか、チェックしながら補正をすることが大事です。補正機能のついた和装肌着は数多くありますので、自分に合う補正具を探してみましょう。

中には着こなしを気にするあまり、ガチガチの補正をして動きづらくなる人もいます。必要以上の補正は着物を楽しむ余裕をなくしてしまいます。楽しんでこその着物ですから、すっきり見えて動きやすい適度な補正するようにしましょう。

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