着物の上に着るコートの種類とそれぞれの特徴

投稿日:2020年03月04日

着物の上に着るコートの種類とそれぞれの特徴

着物は何となく分かるけれど、その上に着るコートとなると、どんな場合に何を合わせたらいいのか分からないという方も少なくありません。
きれいにコートを着ている方を見ると、いかにも着物に慣れた上級者の雰囲気。いつでもそんな着こなしができるよう、ここでは着物のコートの種類と特徴、着方をまとめてご紹介します。

着物の上に着るコートとは?

着物の上に着るアウターと言えば羽織を思い浮かべる方が多いと思いますが、羽織とコートには明確な違いがあります。

羽織はジャケット、あるいはカーディガンの位置付けなので屋内でも着用します。一方コートは外着なので、屋内に入ったら脱ぐのがマナー。コートには道中コート、雨コートなどがあり、防寒や汚れを防ぐためのものでもあるので、外出する際にはコートを着るのが一般的です。

昔は冬場羽織の上にコートを着ることが普通だったので、一般的に羽織よりもコートの方が丈長になっています。

着物のコートはいつからいつまで着るべき?

着物のコートは基本的に防寒と汚れを防ぐ役割で着るものなので、着物だけの外出では寒い時期(10月~4月頃まで)が主な着用期間です。

着物の業界では「紅葉の頃から桜の時期まで」がコートの着用期間と言ったりもします。着物を大事にする方の中には、埃よけとして常にコートを着るべきとする方もいるので、盛夏以外コートを着用してもまったく問題ありません。

着物のコートの種類と特徴

着物のコートは、着物を汚れや雨から防ぐ役割のもので、素材やデザインによって、いくつか種類があります。

道行コート

単に道行と呼ばれる場合もあります。道行(みちゆき)、つまり外出の時に着物を汚さない目的で着るコートです。礼装など柔らかいものを着る時は、汚さないように道行を着るのが一般的。道行は襟が四角く開いた道行襟、腿~膝位の丈のものが主流です。

絵羽コート

縫い目をまたいで柄が配される着物を「絵羽(えば)」と言います。絵羽になると留袖、訪問着、羽織は一段上の格になります。かつて絵羽コートは正装用として着られていましたが、近年正装には無地コートが主流になりつつあります。

道中着

打ち合わせが着物のようになっていて、飾り紐などで留めるタイプのコートが道中着。道中という名の通り元は旅行などに着たようです。道行と道中着だと、若干道中着の方がカジュアルなイメージ。着物を着慣れた方に好まれる傾向があります。

雨コート

雨の日用に防水性のある生地や撥水加工を施した生地で作られるのが雨コート。着物をすっぽり覆う、裾までの丈で仕立てます。ナイロンやポリエステルなど化繊の雨コートも数多くあります。

最近ではコートなどは着ずに、訪問着や留袖などの柔らかなものだけを着る方もいるようですが、着物は高価なものです。着物を大事にするのならやはり外出する際にはコートを着ることをおすすめします。上記を参考にして、着物に合わせたコートを選んでみてください。

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