着物に臭いがついてしまったときの臭い取りの方法

投稿日:2020年03月04日

着物に臭いがついてしまったときの臭い取りの方法

着物を着ていて臭いが気になる時があります。また久しぶりにタンスから出した着物が防虫剤臭くなっていることも……。着物が臭う原因と、対処法をご紹介します。

着物についてしまう可能性がある臭い

着物は1回着たらクリーニングに出すという衣類ではないので、着た後のお手入れや保管方法が悪いと臭いがついてしまうことがあります。汗やカビ、防虫剤など、着物が臭う原因はさまざま。臭いの原因と予防方法を知っておきましょう。

カビの臭い

汗や湿気、ファンデーションのシミなどがついたまま着物をしまうと、生地にカビ菌が繁殖してカビ臭くなることがあります。着物にカビを生えさせないためには、着用後は十分に陰干しをして湿気を飛ばしてからしまうことが大事です。タンスで保管する場合も、年に1~2度は陰干し(虫干し)するようにしましょう。

汗がたくさんついた部分は、霧吹きで水を吹きつけタオルで叩くようにして汗を落とす方法もあります。ただ、絹は水分で縮むので、ごく少量に留めるか、クリーニングに出すことをおすすめします。

食べ物の臭い

お酒やソースが着物にはねたり、焼肉の煙など食べ物の臭いがついたりすることもあります。お酒やソースがついた部分は、なるべく早くシミ抜きをします。シミ抜き方法は、ついたシミの種類によって異なります。

口紅、料理のオイルなど油性のシミは、シミの下へ当て布をして、ベンジンを含ませたガーゼなどでトントンと叩いて当て布へ汚れを移すようにします。決して布を擦らないようにしましょう。
お酒、お茶、コーヒーなど水性のシミは、シミの下へ当て布をして、中性洗剤を15倍位に薄めた水をシミに少量吹き付け、乾いた布で叩いて汚れを当て布へ移します。
マヨネーズ、料理のソースなど油性と水性が混ざったシミは、油性のシミ抜きをした後、水性のシミ抜きをします。

シミ抜きに自信がないようなら、無理をせずクリーニングに出すようにしましょう。その際に、着物についたのが何のシミか伝えるようにします。

樟脳の臭い

樟脳やナフタリンなど防虫剤の匂いが、タンスにしまっている間に着物に染みつくことがあります。そういった臭いが気になる場合は、無臭性の防虫剤を選べば防虫剤臭さは防げますが、無臭性防虫剤は金属を含む衣類に使用できないものもありますので、慎重に選びましょう。また、成分の異なる防虫剤を一緒に使うと、化学反応でシミがついてしまうこともありますので、注意が必要です。

カビの臭いがついてしまったときの対処法

ごく軽いカビ臭であれば、生地から離してスチームアイロンのスチームを当て、半日から2、3日風を通すと取れる場合もあります。スチームを当てる際は、裏の目立たないところで生地が縮まないか試してから当てるようにします。また、金銀糸や箔の部分は、スチームを当てないようにしましょう。

基本的にカビ臭がする場合は、自分で対処せずにクリーニングに出すのがおすすめです。自分で臭い取りをして臭いが軽減しても、生地の中にカビ菌が入ってしまっている場合はまた臭ってきてしまいますし、ほかの着物に菌が移る恐れもあります。

食べ物の臭いがついてしまったときの対処法

焼肉の煙などシミにならない臭いは、陰干しをすれば概ね飛ばすことができます。気になるようならアイロンのスチームを当ててから、しっかり干すのがおすすめです。
焼肉店の化粧室には、臭い対策として衣類に吹きかける消臭剤を置いていることもありますが、着物に吹きかけるとシミや縮みの原因となる場合がありますので、使用しない方が良いでしょう。

樟脳の臭いがついてしまったときの対処法

樟脳臭さは陰干しで取ります。できれば着る数日前にタンスから出して風に当てましょう。十分干す時間が取れない場合は、扇風機やドライヤーの冷風を当てるなど、機械的に風を送って臭いを飛ばします。

着物の臭いが気になったら、上記を参考に臭い取りをしてみましょう。自分で対処するのが難しい場合には、無理をせずにクリーニングに出すようにしてください。

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