どこに保管すれば良い? 着物の保管方法

投稿日:2019年09月15日

どこに保管すれば良い? 着物の保管方法

着物を着た後は、お手入れをしてから収納します。着物のほかに、帯や襦袢などの小物類も、身につけたら必ずお手入れをしてから片づけましょう。きちんとお手入れをしておくことで、着物や小物類を長くきれいに保つことができます。

なぜ着物のお手入れが必要?

脱いだばかりの着物には、熱と湿気がこもっています。目立った汚れがない場合でも、ホコリや皮脂が付いています。湿気と皮脂は着物の大敵。そのまま着物を畳んでしまうとカビがついたり、シミや黄ばみが出たりといったトラブルが起こりがちです。肌着は毎回洗濯しますが、着物や襦袢は頻繁に洗うと生地が傷みますし、帯は基本的に洗いません。そのためお手入れをしてきれいに保つことが必要になるのです。

着物を着た後のチェックポイント

着物を脱いだらまず陰干しをします。その間に汚れがついていないか、全体を点検します。以下のような箇所は特に汚れがつきやすいので、忘れずにチェックしましょう。

半襟は衿の汚れ除けですから、縫い付けた糸を外してお手入れします。洗える素材の半襟は中性洗剤で洗い、タオルで水気を取ってから陰干しします。正絹の場合はベンゼンで汚れを叩き洗いするお手入れ方法もありますが、慣れない方はプロの京洗いへ出す方が安全です。

袖口

襦袢の袖口の汚れは、固くしぼったタオルで軽く拭いて落とします。目立つ汚れがついた場合は、下手にいじらず汚れた部分に糸で印をつけてプロにまかせます。

知らないうちに汚れが付きやすい箇所です。特に裾の後ろ側に泥ハネがないかチェックします。泥ハネは決してこすらずそのまま乾かして、乾いてからポンポンと叩くか、柔らかいブラシで払って土を落とします。

前身頃

座るときに擦れたり汚れが付いたりしていないかチェックします。シミや目立つ場所なので汚れがあったらプロにまかせるのがおすすめです。

着物を着た後にするべきお手入れの方法

着物

脱いだ着物は、風通しが良く直射日光があたらない場所で、半日~1日程陰干しをして熱と湿気を飛ばします。着たときにできたシワをしっかり伸ばして干します。洋服用のハンガーではシワが取れにくいので、着物ハンガー(衣紋掛け)か衣桁を使うのがおすすめです。十分乾いたら着物用のブラシか柔らかい布(ビロードや絹のスカーフなど)で軽く表面のホコリを落とし、折り目通りにきちんと畳みます。

帯、帯揚げなど小物

着物だけでなく襦袢や帯、帯揚げなどの小物類も干して湿気を取ります。帯は、温もりのあるうちに平らなところでポンポンと叩き、結びジワを伸ばしてから風を通すようにします。

肌着や足袋

直接身体に触れる肌着や足袋は洗濯できるものがほとんどなので、洗濯表示に従って洗うかクリーニングに出します。足袋裏の固い部分についた黒ずみは、歯ブラシになど中性洗剤を付けて軽くこすって落とします。

汗をかいたときは

汗をたくさんかいてしまった場合、そのまま乾かすと汗ジミになることがあります。汗で湿った部分を濡れタオルでポンポンと叩くか、霧吹きをしてからタオルでそっと押さえ水気を取り、その後乾かすようにします。

お手入れに不安がある場合には

お手入れが十分でないと、後になってカビやシミ・黄ばみが出ることもあります。お手入れに自信がない方は、和装クリーニングを行うクリーニング店へ持って行くか、京洗いの店にお願いしましょう。着物を購入した呉服店で、丸洗いやシミ抜きを受け付けてくれる場合もあるので聞いてみましょう。

大切な着物をきれいに保つために、着物を脱いだ後のお手入れは欠かせません。まずは着物を脱いだら「シワを伸ばして陰干し」を習慣にしてください。そして、汚れが気になる場合は、和装クリーニングを行うクリーニング店へ持って行くか、京洗いの店にお願いしましょう。

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