着物を着ているときのトイレの入り方
投稿日:2019年08月08日
着物を着たときに、悩みとなるのはトイレです。トイレを使うとき、裾は、袖はどうするの? 着崩れないように用を足すには、一体何に気をつけたらいいの? ちょっと聞きにくい着物とトイレの悩みにお答えします。
着物でトイレに行くときのポイント
着物を着るときは股上の浅い、ローライズの下着をはくのがおすすめです。股上の深い下着だと襦袢や肌着を大きくたくし上げることになり、着付けが乱れやすくなります。トイレに入るときは、できるだけ洋式を選ぶのもポイント。特に振袖の場合は、洋式でないと姿勢を保つのが大変です。着物でトイレに行く際は、クリップ(洗濯ばさみ)や腰ひもを持って入るようにします。
着物を着ているときのトイレの入り方
まずは袖が邪魔にならないようにします。袖の真ん中あたりを、帯と着物の間にはさみ込みます。このときクリップがあると、はさんだ袖をしっかり留められるので便利です。振袖は三つ折りくらいにして重なった部分をクリップで留めます。
次に裾をからげます。長着の上前→下前、襦袢の上前→下前、裾よけの順で帯の上あたりまでしっかりめくり上げ身体の前に抱えます。このとき上前と下前を一緒にはさんでおくとずり落ちにくくなります。帯の上に仮ひも(腰ひも)を締めて、からげた裾をたくし入れてしまう方法もあります。
用を足したら、裾をからげたときと逆に、裾よけ→襦袢→長着と順番に下ろしていきます。布がごろごろしないよう、よれを直しながら元に戻すのがコツです。
最後に裾の重なりやおはしょりがきちんとしているか確認します。
袴をはいているときのトイレの入り方
卒業式などで袴をはいたとき、トイレに行けないと思っている人がいますが、これは間違い。袴をはいたままでもトイレに行くことはできます。なぜなら女性用の袴は「行灯袴」といって、足を入れる所がわかれていないからです。要はロングスカートと同じなので、たくしあげる裾が1枚増えるだけです。
トイレに行った後に着崩れしやすいポイントと直し方
トイレで用を足した後、着物が着崩れてしまったら? よくある着崩れポイントと簡単な手直しの仕方を紹介します。
裾の重なりが乱れてゴロゴロするとき
内側の裾よけや襦袢が丸まったり打ち合わせが逆になったりしたときは、上から順番にめくり直し、よれないよう丁寧に重ね直します。
お尻の部分の着物がたれ下がってしまったとき
- かかとで軽く裾を踏みます。
- 背中へ手を回し、おはしょりの中へ手を入れます。
- 腰ひもの上側のおはしょりをつかみ、軽く引き上げます。いきなり大きく引かないように裾を見ながら加減して引き上げます。
きものの裾が下がってしまったとき
- おはしょりの下へ手を入れ、衿先をつかみます。
- 衿先を突き上げるようにして、裾をちょうどいい長さまで引き上げます。
- 突き上げて下がってきた分を腰ひもの中へ入れ、おはしょりを整えます。
「着物でトイレ」というと焦ってしまう人が多いのですが、上記を参考に落ち着いて手順通りにすれば大丈夫。トイレのついでに着崩れをチェックするくらいの気持ちが大事です。そのためには、トイレはギリギリではなく、余裕を持って行くようにしてください。