着物にしわを付けないための上手な持ち運び方

投稿日:2019年09月13日

着物にしわを付けないための上手な持ち運び方

遠隔地で行事がある場合や、着付けスタジオや結婚式場で着付けをお願いする場合、着物と小物一式を持って移動するということになります。「着付けてもらおうと開けてみたら、着物にしわがついていた!」などということのないように、着物にしわを付けないパッキングと持ち運び方を知っておきましょう。

着物を持ち運ぶときのバッグの選び方

着物は平らにたためるので、本来洋服よりも持ち運びやすい衣類です。それでもパッキングの仕方が悪いと、しわができてしまいます。着物をしわにしないためには、バッグ選びが大事です。持ち運び用のバッグはメリット・デメリットを考えて、自分に合ったタイプを選びましょう。

着物(和装収納)バッグ

着物運搬のために作られたバッグなので、サイズや小物ポケットの数などが機能的に考えられています。着物を持って移動することが多い人なら、最もおすすめのバッグです。デメリットは着物専用に機能を考えているので、旅行や他の外出に使いまわしがきかない点。着物を持ち運ぶ機会が一度きりなら、もったいない買い物かも知れません。

スーツケース(トランク)

着物専用ではありませんが、荷物留めのベルトやネットが付いているスーツケースも着物の持ち運びに便利です。着物を持ち運ぶのに便利なサイズは、小旅行や荷物の多い外出にも使えます。デメリットとしては、パッキングをキチンとしないと中で着物が動いてシワになる恐れがある点です。

風呂敷

自宅近くの美容院やスタジオに持って行くときや、車で先方まで行く場合なら、風呂敷でも十分用が足ります。風呂敷は軽くてかさばらず、大判の風呂敷不要になったら小さくたためます。布なのでカバー力はなく長時間の移動には向かないのと、水濡れに弱い点がデメリットです。

荷物を包むときの下準備

最初に着物や帯、小物類をたとう紙や箱から出してしまいます。たとう紙や箱に入ったままのほうが安心のような気がするかもしれませんが、たとう紙や箱に入れたままだと荷物が多くなりますし、パッケージの中で着物や帯が動いてシワになるおそれがあります。着物、帯、小物類を全部出したら、曲げずにバッグに入る長さに帯をたたみます。着物と襦袢は本だたみしたものを、帯の長さに合わせてたたみます。

着物を持ち運ぶときの荷造りのコツ

次の順序で荷物を重ねます。風呂敷の場合は、すべりにくく張りのある綿がおすすめです。

  1. 着物用バッグや風呂敷を敷き、その上に帯を置く。この帯が着物を平らに保つ土台になります。
  2. 帯の上にたたんだ着物を置く。たたむときに袖がしわにならないように、振袖は特に注意します。
  3. 襦袢を置く。帯と襦袢にはさまれて着物が固定されます。
  4. 肌着と帯紐や帯枕など、小物類を「できる限り平らに配置して」置く。
  5. 衿芯は折跡がつくので、たたまずに帯枕や帯揚げを真ん中にしてゆるく巻きます。
  6. 全部重なったらぴっちり包む。小物が動かない様にきちんと包めたら、そんなにしわになりません。
  7. 風呂敷の場合は、風呂敷包みをバッグに入れ、バッグの中で動かないようネットやベルトで固定します。(ベルトが風呂敷に喰いこみそうな場合は、ベルトの当たる部分にタオルなどを入れて喰いこまないように注意します)

着いたらできるだけ早く衣桁や着物ハンガーにかけしわがないかチェックします。多少のしわなら少し掛けておけば自然に伸びます。大事な着物を移動するときは上記を参考に、しわをつけないように、丁寧なパッキングで運んでください。

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