夏の着物は透けやすい……透けにくくするための対策について

投稿日:2021年04月09日

夏の着物は透けやすい……透けにくくするための対策について

夏に着物を着こなしている方は、凛としてとても素敵な女性に写ります。
しかし、夏の着物は薄手の上に単衣(ひとえ)仕立て。素材も絽(ろ)や紗(しゃ)など透けるものが多いので、中が透けて見えてしまうことがあります。
透けることで涼しさを演出するのが夏の着物の手法でもありますが、見えるべきではない下着まで透けてしまうのは避けたいもの。夏に着物を着る時は、透け対策を忘れずに行いましょう。

夏に着用すると良い着物の素材


夏の着物の特徴は、単衣仕立てで裏がつかないということと、薄手で透け感があることです。
夏の着物素材で代表的なものには絽と紗がありますが、どちらも2本の経糸(たていと)をよじりながら横糸を織り込むもじり織で、糸に隙間ができるため透ける感じになります。

夏のおよばれなら絽を選べばまず間違いなく、絽は紗よりも格上で、結婚式などのフォーマルにも対応します。一方、紗は略礼装から普段着におすすめの素材です。

ほかにも、上布(じょうふ)という着物地があります。細い麻糸を平織りしてできる張りのある布で、最高級の麻織物、湿気を素早く吸収発散してくれるので夏のおしゃれ着や普段着に最適です。

夏の着物の透け対策


絽や紗など透ける着物は、下に着た長襦袢を透かすことで見た目の涼しさを演出します。この場合の長襦袢は「見せる下着」なわけですが、長襦袢以外の下着や着付けの補正具が透けて見えるのは、やはり格好の良いものではありません。
うすものの着物を着るときは下着が透けないように、以下のような対策を行いましょう。

肌襦袢、裾除けをしっかり着用する

長襦袢も夏物は薄手なので中が透けることがあるので、肌襦袢や裾よけをきちんと着ることが大切です。着こむので暑く感じる方もいますが、汗取り肌着を選んで汗を吸わせるなどの対策を行えばさほど気にならなくなるでしょう。

居敷当て(いしきあて)を付ける

着物の後ろ身頃、お尻から下の部分に「居敷当て」という白布をつけるのも透け防止になります。居敷当ては本来お尻部分の生地のたるみを防ぐものですが、夏の着物では居敷当てを付けることで下半身の透けを防ぐことができます。

ゆかた下、和装スリップを着用する

下着にはワンピース型になった「ゆかた下」や、肌襦袢と裾よけが一体化した「和装スリップ」を着ます。浴衣の場合は長襦袢を着ないので、「ゆかた下」や「和装スリップ」が重要になってきます。

そのほか、夏に着物を着るときのコツ


夏に着物をきれいに着るためには、透け防止のほかにもいくつかポイントがあります。できるだけ涼しくする、汗対策をすることを意識しましょう。

なるべく補正はしない

着物の生地が薄手なので、補正のために入れた詰め物のために着物がデコボコすることがあります。夏場はできるだけ補正をしないか、薄手のタオルを利用するのが良いでしょう。

長襦袢や肌着に涼しい素材のものを選ぶ

涼し気な見た目の割に、肌着や長襦袢をしっかり着るので、夏の着物はどうしても暑くなりがちです。少しでも快適にするために、肌着や長襦袢は、麻や麻混ポリエステル、冷感素材など、涼しいものを選ぶようにしましょう。

夏に美しく着物を着るためには、クリアすべきポイントがいくつかあります。上記を参考に透け対策や暑さ対策をして、夏の着物を楽しんでみてください。

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