男性が着物を着るときに用意しておきたい小物とは

投稿日:2020年03月04日

男性が着物を着るときに用意しておきたい小物とは

洋服を着る時は、靴、靴下、ネクタイなどさまざまな小物がコーディネートのポイントになりますが、小物使いが大事なのは着物でも同じこと。ここでは男性が着物を着る際に用意しておきたい和装小物についてご紹介します。

草履、雪駄、下駄

着物を着る時の履きものとしては、草履、雪駄、下駄があります。
草履は表地と裏地の間に芯が入れてあるので、柔らかい履き心地です。礼装には通常エナメルや畳表の草履を合わせます。草履には足袋を履くのが一般的です。
雪駄は芯が無く、踵の部分に鋲が打ってある草履の一種。高さがないので楽に履けます。皮の雪駄を礼装に合わせることもあります。裸足で履く方もいますが、最近では足袋を履く方が多いようです。
下駄は木製で高さがあり、素足でも履くことができます。二本歯のほかに歯のないサンダルタイプの下駄もあります。
一般的には、格の高い方から草履→雪駄→下駄と考えておくと良いでしょう。

足袋

靴に隠れる靴下と違い草履を履いても見える足袋は、着物の一部と言ってもいい位置づけです。最も格の高い白足袋のほかに、色足袋、柄足袋、足袋風のソックスなど、さまざまなものがありますが、礼装(紋付羽織袴)に合わせるのは、白足袋と決められています。
こはぜ(足袋の足首を留める金具)は3~5枚のものがあり、一般的なのは4枚こはぜです。汚れやすい白足袋は日常的に履くには贅沢なので、礼装以外では色足袋や柄足袋を合わせる方が多いようです。着物と足袋の色合わせは着こなしの大事なポイントです。

礼装のイメージが強い袴ですが、茶道や武道、演芸などでも着ますし、しゃれ着として袴を楽しむ方もいます。着物にシャツと袴を合わせる書生風の着こなしも、近年若い男性に人気です。
袴には礼装用、しゃれ着用、普段着用があります。礼装用は紋付に合わせる袴で、仙台平の縞模様がもっとも格が高い袴です。しゃれ着用の袴は、お召や紬などさまざまな素材で作られます。普段着用の袴は野袴とも呼ばれ、動きやすいように裾に広いふちがつけられています。近年では礼装用よりも細身のものを野袴と呼ぶこともあります。

半衿

首筋の皮脂汚れ防止と衿元のおしゃれを兼ねて、襦袢の衿に縫いつける細長い布が半衿です。着物(長着)に対して半襟は差し色やアクセントの役目を持っています。
和装では、白が最も格の高い色なので、礼装用の半襟は白と決まっていますが、しゃれ着や普段着には色衿や柄物の半衿を合わせます。趣味性の高い小物なので、刺繍を入れたり金銀箔を用いたりした個性的な半衿も数多く出回っています。

扇子

和装の世界では、扇子には2通りの使い方があります。礼装用の扇子は「末広(すえひろ)」または「祝扇(いわいおうぎ)」と呼ばれ、お祝いの気持ちを表す装飾品です。礼装した時は末広がりに運が開ける縁起物として扇子を持ちます。祝いものなので、葬儀の時は扇子を持ちません。
実用品としての扇子は「持ち扇」と言い、暑い季節に持つもので、さまざまなデザインがあります。

信玄袋、巾着袋

男性の着物には身八ツ口(脇の下の開いた部分)がないので、袖をポケット代わりにして物を入れることができます。ただ袖に物を入れるのは着物が傷む可能性があり、あまり品が良いものではありません。スマホや財布など重さのあるアイテムは信玄袋や巾着袋に入れるのがスマートです。着物とコーディネートした色や素材の袋物で、おしゃれを楽しみましょう。

色や柄のバリエーションが少ない男性着物では、小物使いでセンスに差が出ます。上記を参考に、着物に合った素敵な小物を揃えてください。

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