男性が着用する着物の代表的な色とイメージ

投稿日:2019年08月03日

男性が着用する着物の代表的な色とイメージ

着物を選ぶ時、洋服と同じく自分の好きな色を選んで差し支えないのですが、着物らしい色合わせや、色が与えるイメージを知っておくと便利です。ここでは、男性着物の代表的な色と、それぞれの色が与えるイメージ、どういった方に似合う色なのかについてご紹介します。

黒の着物

着物の世界では、白と黒は「特別な色」です。第一礼装の紋付き羽織袴では、黒の長着に黒羽二重の羽織を着ます。色無地の着物に羽織を重ねる場合も、色羽織ならカジュアルに、黒羽二重になると略礼装になります。
黒無地の着物=礼装というイメージなので、しゃれ着や普段着として黒の着物を選ぶ場合は、地紋の入ったものや泥染めの黒大島のような紬、絣などを選ぶのがおすすめ。黒はモノトーンなので、半衿や足袋にどんな色を持って来てもマッチします。差し色を活かすコーディネートにおすすめです。

グレーの着物

グレーは通常「灰色」と訳しますが、江戸時代に火事に結び付く「灰」という言葉を嫌ったため、和の世界では「鼠色」と呼ぶことが一般的です。鼠色は上品で落ち着いたイメージがあり、どちらかというと年配向きの色でしたが、近頃は若い方にも人気があります。
いわゆるシルバーグレーのような銀鼠、明るめのライトグレーのような白鼠、青みがかったグレーのような藍鼠、茶色が混ざったグレーのような利休鼠など、灰色にほかの色を混ぜたニュアンスのある色が主流です。銀鼠や白鼠は、生地の質感がはっきり出るので、上質なお召などであつらえると質感が際立って素敵です。

ネイビー(紺)の着物

日本人の肌色にマッチすると言われるネイビーは、年齢に関係なく若々しいイメージで着ることができます。男性着物の定番色で、ネイビーに合わせられる小物類も多いので、着物ビギナーには特におすすめの色です。活動的なイメージがあるので、普段着用の着物として選び、気楽に着て出かけましょう。帽子をかぶる、スカーフを巻くといった和洋ミックスのコーディネートも、何を持ってきてもそれなりに合う懐の深いネイビーなら無理なく合わせられます。

茶の着物

グレーやネイビーに比べると、茶色の着物は趣味性が高く、風流でおしゃれなイメージがあります。茶色はベージュなどのグラデーションカラーとバランス良く合わせると、すっきりまとまります。金茶のような明るめの色は色合わせが少し難しいので、帯に暗めのこげ茶などを合わせてきれいに着こなせたら着物おしゃれ上手です。

緑 (菱)の着物

暗めの濃色が多い男性着物の中で、緑の着物は軽快ながら格式があって上品なイメージです。緑色の色紋付は、溌溂とした若々しさがありながら浮ついた感じになりません。緑×緑や緑×紺の菱文様は、長着だけでなく袴や帯の色としても人気。緑色は白系や黄色系の帯を締めると良く映えます。

男性の着物をコーディネートする際は、着物、帯、羽織、半衿、足袋などの色合わせとバランスがポイントです。コツはそれぞれにバラバラな色を使わず、多くても3色程度に納めること。着物ビギナーの方は、ネイビーや黒など、どんな色とも合いやすい色から選ぶと良いでしょう。

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