男性の着物を着付けをするときに準備すべきもの

投稿日:2019年09月17日

男性の着物を着付けをするときに準備すべきもの

男性の着物は女性ほど細かな補正を必要としないので、比較的シンプルに着付けができます。ここでは男性の着物を着付けするときに準備するものについて紹介します。

着物(長着)

男性の着物は女性ほど種類が多くなく、既婚か未婚かで着物が変わることもありません。染めの着物が格上で礼装、織りの着物は普段着と覚えておけばほぼ間違いがありません。また男性は女性のように「おはしょり」をしないので、着付けで丈を調節することができません。着物を選ぶときは、着丈がきちんと合ったものを選びます。

長襦袢

着物(長着)のすぐ下に着るのが長襦袢です。長着とほぼ同じ丈があります。男性の着物は圧倒的に無地が多く、刺繍や描き柄があるものはあまりありません。代わりに裏や襦袢に意匠を凝らすので、絵柄の入った長襦袢も多く見られます。長襦袢は着物との色合わせを考えて選びましょう。

肌襦袢

素肌に直接つける、汗や汚れ取り用の肌着が肌襦袢です。長襦袢の下に着るもので、表から見えないようにします。肌襦袢は上半身のみで腰までの丈の半襦袢が多くなっています。肌襦袢の代わりに洋服用のアンダーシャツを着る人もいますが、衿元がはだけてアンダーシャツが覗くのは格好の良いものではありませんし、肌襦袢の方が着崩れ防止になるのでできれば肌襦袢を選んでください。

ステテコ

半襦袢に合わせてはくのがステテコです。下半身の汗や汚れ取りのほか、ステテコをはくことで裾がさばきやすくする利点もあります。素材は綿や麻が多く、肌触りとすべりの良い楊柳などが好まれます。

羽織

礼装の場合は黒の紋付羽織、それ以外は着物と同生地の羽織を着ます。羽裏(羽織の裏地)は男性の着物の中で最もおしゃれをアピールする部分で、模様や絵柄が入ったものも多くあります。羽織を脱がない限り見えない部分ですが、その分大胆に絵を入れたりして粋に楽しみます。

羽織紐

羽織の前を合わせる羽織紐は、洋服でいうとネクタイに匹敵するアクセサリー。着物との色合わせを楽しむ男着物の着こなしポイントです。羽織紐には丸く組んだ「丸組み」と平らに組んだ「平打ち」、結び目に玉をつけた趣味性の高い「無双」などがあります。

男性の帯は角帯と兵児帯があります。兵児帯はカジュアルな着物や浴衣に締める帯で、普段着以上の着物には角帯を締めます。女性の帯のように変わり結びをすることはほぼなく、結び方は「貝の口」が一般的です。女性の帯は胴に締めますが、男性の帯は腰に結びます。前面を下げ気味にして後はお尻の上で結ぶようにします。

足袋

礼装用は白足袋、それ以外は黒足袋か色足袋が一般的です。素材はキャラコと呼ばれる木綿のほか、ポリエステルなど化繊のものも見られます。足袋は「こはぜ」と呼ばれるフックで足首に留めます。足にぴったり合う足袋が良いとされるため、着物を良く着る人の中には、オーダーで足袋をあつらえる人も少なくありません。

履物

男の着物に合わせる履物としては、草履、雪駄(せった)、下駄があります。この中で下駄は普段着や浴衣などに合わせるカジュアルな履物。紋付羽織袴の礼装には白鼻緒の畳地草履(畳のようなしぼが入ったビニールや皮の草履)を合わせます。それ以外は草履や雪駄を着物に合せて選びます。草履と雪駄は同じような形で、雪駄は表地と裏の間に芯材が入り、裏に鋲が打ってあります。

腰紐

男性はおはしょりをしないので、長襦袢用に1本、着物用に1本の腰紐と帯だけで着付けます。腰紐の代わりに平らな「伊達締め」や、「男〆」という伸縮性のあるゴムベルトを使うこともあります。

男性は、女性に較べると着付けに使う道具は少なめですが、それでも全部用意するとなるとかなりの点数になり費用も高額です。必要な道具が足りない場合や、着物に合わせてコーディネートを楽しみたいなら、レンタル着物を利用するのがおすすめ。レンタル着物のマインなら着物から各種小物まで、デザインも各種取り揃えてあるので、好みに合った装いを見つけることができます。

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