訪問着はどんなシーンで着れば良い? 着る機会とは

投稿日:2020年03月04日

訪問着はどんなシーンで着れば良い? 着る機会とは

訪問着は格の高い着物と言われているけれど、どんな場所へ着て行ったら良いのか分からないという方もいるのではないでしょうか。「黒留袖=結婚式の親族」のように、決まった着用機会のない訪問着。でも実はさまざまなシーンに着て行ける、とても着る機会の多い便利な着物です。ここでは、訪問着を着るのにおすすめのシーンについてご紹介します。

訪問着とは

訪問着は、西洋の「ビジティングドレス(社交外出着)」と同格の着物とされています。上流階級の方が、ほかの方の邸宅を訪問する際に着るよそ行きの着物ですが、フォーマルドレスほど堅苦しくなく、「あらたまった席で着ることのできるワンピース」といった位置づけです。

特徴としては、色や柄が華やかで、上前から裾まで絵羽(縫い目を超えて柄が連続する)で模様が描かれます。未婚、既婚を問わず着ることができて、紋をつければ格が上がり結婚式や式典などフォーマルな席にも着て行けます。

訪問着を着る機会は? 訪問着を着るのにおすすめのシーン

訪問着は、おめでたい席であればさまざまな場所へ着て行くことができます。以下のようなシーンで着用することができるので覚えておきましょう。

結婚式

一つ紋か三つ紋をつけた訪問着は準礼装の格になり、招待客として結婚式に出席する際におすすめの着物です。お祝いの席ですから吉祥紋(おめでたい紋様)の柄を選び、金銀箔を使った袋帯を合わせて格調高く装いましょう。

お宮参りや七五三

お宮参りや七五三はお子様の成長の節目となる家族行事、訪問着で晴れやかに装いましょう。神様に参拝するのですから、紋のついた訪問着がおすすめ。主役はお子様なので大胆過ぎる絵柄は避け、優しい色合いを選ぶようにしましょう。

観劇やコンサート

楽しく華やいだ席には、思い切ったデザインの訪問着を選ぶこともおすすめ。遊び心のある刺繍紋をつけたり、演目に関係する柄を選んだりといった楽しみ方も素敵です。

食事会・同窓会

公式な場ではないので、紋がつかない訪問着でもOK。会場がホテルや格式高いレストランなら結婚式と同じく袋帯で華やかに、カジュアルレストランなら名古屋帯で着こなすのもこなれた印象です。

フォーマルな場での訪問着を着るときの選び方

フォーマルなシーンで訪問着を着るときは、以下の点に留意しましょう。

訪問着は紋をつけることで格が上がる着物です。結婚式や公式行事には、必ず紋(一つ紋か三つ紋)のついた訪問着を選びます。紋は白く染め抜いた「染め抜き日向紋」で入れます。

華やかで柄が目立つ訪問着ですから、着て行く席に合わせて柄を選ぶようにします。結婚式や式典にはおめでたい吉祥紋などを選んで、お祝いの気持ちを表すのがマナーです。

フォーマルな場では格調高い、金銀箔や刺繍のついた佐賀錦やつづれ織りなどの袋帯を、二重太鼓に結ぶのがおすすめです。未婚女性なら変わり文庫や創作結びで華やぎを演出するのも素敵です。

プライベートな場での訪問着の選び方

プライベートシーンで訪問着を着るときは、もっと自由に着物のおしゃれを楽しんでください。

プライベートですから必ずしも紋をつける必要はありませんが、出かける先が一流ホテルなど各式高い場所であれば、紋がついている方が良いでしょう。パーティーや観劇には刺繍紋や加賀紋(多色の糸で刺繍した華やかな紋)など、遊びのある紋をつけるのも粋です。

訪問着には、さまざまデザインがあります。幾何学文様や西洋風の柄など大胆な柄もプライベートな場で着るならOK。季節に合わせた花や風物の柄を選んだりと、着物ならではの楽しみ方をしてみてください。

パーティーでは華やかで格式の高い袋帯、気取らない席ではしゃれ袋帯や名古屋帯と、お出かけ先に合わせて帯を変えます。紬地の訪問着であれば、染めの名古屋帯や紬地の袋帯などしゃれ帯で粋に着こなしましょう。

未婚、既婚を問わずに着ることができて、紋をつければ格が上がる訪問着はいろいろなシーンで着用できる着物です。今度のお出掛けには、訪問着を着てみてはいかがでしょうか。

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