妊娠中に着物は着ても問題ない? 着物を着るときのポイント

投稿日:2021年08月09日

妊娠中に着物は着ても問題ない? 着物を着るときのポイント

昔の日本人は日常的に着物を着ていました。当然妊娠している女性も着物で暮らしていたのですから、妊娠中だからといって着物が着られないということはありません。ここでは、妊娠中の女性が着物を着るときに注意するポイントをご紹介します。

妊娠中でも着物を着用しても問題はない?

結婚式やお茶会など、妊娠中であっても着物を着たいというシーンがあります。体調が良好で、着物を着るのが辛くなければ、妊娠中に着物を着用すること自体に問題はありません。
ただ、妊娠初期などでつわり(悪阻)の症状がある場合には、思いがけず着物を汚してしまうこともあります。そういった心配がある方は、着物の着用を避けるのがベター。どうしても着物を着なければいけないような場合は、万一の事を考えて汚れても洗える着物を選ぶようにしましょう。

妊娠中に着物を着るときのポイント

妊娠中に着物を着る際に気をつけるポイントは、「汚れ対策」と「膨らんだお腹でも苦しくない着つけ」の2つです。

絹の着物は避けるようにする

つわりは急に吐き気を催すことがあるので、着物を汚してしまう可能性があります。そのため妊娠中は、水や汚れに弱い絹の着物より、洗える化学繊維や綿の着物の方が安心です。
色留袖、訪問着、付下げなどの礼装、準礼装の着物にも化学繊維で風合いの良い品がたくさんあります。どうしても絹を着たい場合は、パールトーン(撥水、防汚加工)を施したものを選ぶようにします。


   

胸とお腹の間の補正をする

着つけを決める腰紐は、胸のすぐ下、お腹の膨らみの上で結びます。妊娠中は、胸とお腹の間にタオルなどで多めに補正を入れます。胸下に補正があると腰紐が食い込まず、しっかり結べて苦しくなりません。

腰紐や伊達締めを締めすぎないようにする

妊婦にとって着物はハードルが高く思えますが、意外とそうではありません。妊婦の帯はお腹側の場合胸のすぐ下の高い位置、背中側は低い位置でやや斜めになるように結ぶので、お腹を締めつけることはありません。むしろ、帯でお腹がガードされる、布が重なるためお腹が冷えない、帯が背中を支えてくれるから腰が楽などのメリットがあります。

とはいえ着物を着慣れていないと、腰紐を窮屈に感じることもありますので、腰紐や伊達締めは締め過ぎないよう注意してください。伸縮性のある腰紐やベルトタイプの伊達締めを使えば、苦しくなりにくく緩みにくいのでおすすめです。

家から着るのではなく現地で着物に着替える

普段から着物を着慣れていないと、階段の上り下りや移動などの動作がしにくく感じる方もいます。それでなくとも妊娠中は思うようにパッと動くことができません。慣れない着物でつまずいたりしないように、現地へ行ってから着替える段取りをしておくと安心です。着つけをお願いする際は、妊娠中であることを早めに伝えて配慮してもらいましょう。

つらい場合には着物ではなく、洋装を選択する

結婚式や上の子の入学式など、記念に残るイベントに着物を着たいと思う方もいるでしょう。しかし妊娠中に無理は禁物。お腹の赤ちゃんが一番大事ですから、体調が悪い時は無理をせず、楽な服装を選びましょう。妊娠中は着物で出かける予定であっても、体調が良くない時のために洋装の準備もしておくことをおすすめします。

着物は“楽しんで着るもの”、妊娠中でも着物を楽しむことは十分できます。着つけを依頼する場合は、妊娠中だということを忘れずに伝えるようにしましょう。上手に着つけられれば、洋服よりも着物を着用するとお腹が目立たない場合もあります。

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