相応しい留袖はどれ? 留袖の種類と選び方

投稿日:2021年07月14日

相応しい留袖はどれ? 留袖の種類と選び方

留袖は、既婚女性が結婚式などあらたまった席で着る、最も格の高い着物です。いざという時のために1枚だけ礼服を用意するなら色留袖が良いという人もいます。上品で格式ある留袖。留袖の種類と、どんな場所で着るのがふさわしいのか選び方を知っておきましょう。

留袖の種類にはどのようなものがある?

留袖とは、地紋のない一色の生地で裾にだけ模様を配した着物のことをいいます。留袖の中でも地色が黒一色のものを「黒留袖」、黒以外の色で染めたものを「色留袖」と呼びます。「黒留袖」は女性の慶事用の正礼装です。最高格なので、紋は染め抜きで日向の五つ紋をつけます。「色留袖」は「黒留袖」よりも格下になりますが、三つ紋を付ければ「黒留袖」と同等の格になります。

慶事用の礼装なので、留袖の裾模様はおめでたい吉祥紋(熨斗目、扇面、鶴、亀甲、鳳凰、七宝など)や古典柄(御所車、鼓、絵巻物、松竹梅など)が主になります。金銀やプラチナ箔を用いた華麗な絵柄も多く見られます。

振袖と留袖の違い

冠婚葬祭や儀式に着用する礼服の中で、留袖は「既婚女性が着る最も格の高い着物」、一方振袖は「未婚女性の慶事用の礼装」になります。振袖には、袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」などの種類があります。袖が長いほど格が高いので、正礼装として着ることのできるのは中振袖以上の振袖です。中振袖は成人式や結婚式、お呼ばれなど、ほとんどの慶事に着て行くことができます。大振袖は花嫁がお色直しで着ることが多い振袖ですが、近年では成人式に着る方も増えています。

黒留袖を着ると良いおすすめのシーン

黒留袖がふさわしい代表的なシーンは、花嫁の母親や祖母として出席する結婚式です。同じ結婚式でも招待客や遠い親戚は、格を下げて「色留袖」を着用します。主催者と同格に装うのは失礼にあたりますので、注意が必要です。
最高格の黒留袖ですが、着て行ってはいけないシーンもあります。宮中は黒が「禁色」なので園遊会や宮中晩さん会に黒留袖はマナー違反です。宮中行事には三つ紋以上の色留袖がふさわしい正礼装になります。

黒留袖におすすめのシーン

  • 子供あるいは孫の結婚式
  • 格式の高い式典や儀式(宮中以外)

色留袖を着ると良いおすすめのシーン

色留袖は黒留袖に比べて、着て行ける場の多い正礼装です。三つ紋をつければ宮中にも着て行けますし、一つ紋にすれば結婚式やお茶会、式典パーティーなどに着て行けます。礼装を用意する際に色留袖を勧める方が多いのは、黒留袖より着て行けるシーンが多いためです。

色留袖におすすめのシーン

  • 結婚式(招待客)
  • 結納
  • 宮中儀式や行事(三つ紋)
  • お茶会、式典パーティー、その他(一つ紋)

正礼装を着るシーンは、しきたりやマナーが厳しく問われます。留袖を選ぶときは上記を参考に、シーンにふさわしい留袖を選びましょう。自信が持てないときは着物販売店の店員に、参加する行事にふさわしい留袖の種類や柄などを相談すると良いでしょう。

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