夏の暑い時期に着物を着るときの暑さ対策

投稿日:2019年09月09日

夏の暑い時期に着物を着るときの暑さ対策

夏の着物を涼やかに着こなしている人は素敵ですね。夏場に着物を着るのは、やっぱり暑い……それでも着たいという方は、涼しい素材の選び方や暑さ対策を知っておけば、比較的快適に過ごすことができます。しっかり暑さ対策をして、夏の着物を楽しんでください。

夏の暑い時期用の着物の選び方

四季のある日本ではもともと、冬用の袷(あわせ)、夏用の単(ひとえ)、盛夏用の薄物(うすもの)と、季節ごとに着物の素材や仕立て方を変えてきました。盛夏用の薄物は、着物の中でもっとも薄く、熱を逃がしやすい素材です。

絽は、経糸(たていと)を捩りながら織る、薄く透き通った織物です。緯糸(よこいと)の数本おきにすき間を開けて織るため、通気性に優れています。絽は格が高く、夏用の留袖や訪問着、色無地、小紋などに使われます。

絽よりもシンプルな捩り織物で、絽以上に透け感があるのが紗です。通気性は絽よりも優れていますが、織り目が粗く、絽よりはカジュアルな印象です。おしゃれ着や外出着に多く使われます。

夏場の和服としては、着物の他に浴衣があります。薄手の綿で仕立てる浴衣は、もともと寝間着や部屋着として着る普段着でしたが、今では夏の外出着・おしゃれ着として着られるようになり、素材や色柄、着付けコーディネートも着物と変わらないほど多彩になっています。

着付け時にできる暑さ対策

着付け時にできる暑さ対策は、「肌着の選び方」と「保冷」が2大ポイントです。

肌着の選び方

着物(長着)を汗で濡らさないように、肌着と襦袢でしっかり汗を取るようにします。和装の汗取り肌着として有名なのは「あしべ織り」の肌着です。「あしべ織り」とは、燈芯(ろうそくの芯になる部分)というスポンジ状の繊維を帯下になる部分に縫い込んだもの。燈芯がしっかり汗をキャッチします。スポンジ状の厚みが補正の役割をするので、補正具を省略することができます。
汗取り肌着の他に「うそつき襦袢」というものもあります。これは簡単にいうと、肌着に襦袢の衿を取りつけたもの。着物の下に着るのはこれ1枚になります。上下分かれているものが多く、上半身に「うそつき襦袢」下半身は和装ステテコを着ると、かなり暑さが軽減します。

保冷

着付けをする部屋は、冷房を強めにしておくのがおすすめです。着付けのときに暑いと汗をかいて不快なだけでなく、着付けも緩んでしまいがち。着付けの前に冷感デオドラントスプレーや冷感ウエットティッシュで汗を予防するようにします。着付けの補正用のタオルに小さな保冷剤をはさんで入れるのも効果的。小さなサイズの保冷剤は夏の着物に便利なグッズです。ガーゼハンカチに包んで帯下に入れたり、2、3個まとめて包み帯枕にしたりと人によってさまざまな使い方ができます。

夏の暑い中出かけるときの持ち物

盛夏に着物でお出かけするときは、普段以上に暑さ対策をしっかりしましょう。日傘と扇子はマストアイテム。保冷素材のポーチに小さな保冷剤を入れて行くと、着付けで入れた保冷剤がぬるくなったときに交換できます。250~300cc程度の水筒に、冷たくした水やお茶を入れるのもおすすめ。こまめな水分補給を心掛けましょう。

洋服よりも着物の方が、暑さ対策は大事です。上記を参考にしっかり暑さ対策をして、暑い夏も涼やかな着物美人になってください。

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