着物の「誂える」とは? 仕立ての違いについて

投稿日:2021年08月23日

着物の「誂える」とは? 仕立ての違いについて

呉服店など広告で「お誂え(おあつらえ)品」という文字を見ることがあります。店頭で売られている着物と誂え品の違いはどこにあるのでしょうか。今回は、着物を購入する前に知っておきたい、既製品と誂え品の違いをご説明します。

着物を誂えるとはどういうこと?

着物の買い方には大きく分けて「仕立て上がり」「仮絵羽」「お誂え」の3つがあります。

仕立て上がり(既製服)

着物として販売されている仕立て済みものです。仕立て代込みの価格で売られ、買ってすぐ着ることができます。

仮絵羽(セミオーダー)

柄が分かるように裁断し、仮縫い状態で販売されています。訪問着など高価な着物は、仮絵羽で売られることが一般的です。着る方に合わせて仕立てたり、家紋を染め抜いたりして仕上げます。

お誂え(フルオーダー)

生地(反物)を買い、裁断から仕立てまで、すべて着る方に合わせて着物に仕上げます。白生地を買って地染めからすべて誂えでつくる場合もあります。

着物の「誂える」と「仕立て」の違い

「運動会におあつらえむきの晴天で…」といったフレーズがありますが、これは着物を誂えることが元になった言葉です。「おあつらえむき」とは、望み通りの、もしくは思い通りのといった意味合いです。

着物の世界で「誂える」とは、生地(反物)から着物を作ることを言います。誂え方には幅があり、最も本格的に誂える場合は、白生地から染め、絵付けや刺繍なども指定して、紋付きの場合は紋を抜いて仕立てます。一般的な誂えは、すでに色柄のついた反物を選び、着る方の寸法に合わせて仕立てます。誂えでは反物を裁断するところからオーダーでやるので、袖丈や裄丈などの自由度が高く、思い通りの仕上がりになります。

一方、「仕立て」は着る方に合わせて着物を作り直すことを言います。留袖や色留袖、訪問着といった絵柄がポイントになる着物は、全体の柄の感じが分かるように「仮絵羽(仮縫い)」の状態で売られるのが一般的です。「仮絵羽」の着物や「仕立て上がり」で売られている着物も、仕立て直して着る方のサイズに合わせることができます。

着物を誂えるときの流れ

着物好きなら一度は着てみたいと思う「お誂え品」。既製品を買うことに比べると手間がかかるように思われますが、着物好きにとってはあれこれ考える過程こそが着物を誂える醍醐味と言えます。実際着物を誂える際には、次のような流れで作業を進めます。

着物の仕様(生地、色、加工等)を決める

まず反物を選びます。場合によっては悉皆(しっかい:着物のお直し)で色や柄を変えることもできます。生地が決まったら、袷にするか単衣にするか、裏地の選定、紋の有無や数など、仕様を細かく決めていきます。

見積もり

仕様が決まった時点で見積もりを出します。帯、帯締め、帯揚げ、半襟、襦袢など着物に合わせて新調する場合は、小物も合わせてトータルで見積もりを出してもらいます。

採寸

着物は直線断ちなので、洋服ほど細かな採寸ではありませんが、着丈、裄丈、袖丈、袖幅など、きちんと体型に合わせます。

金額や寸法の確認

寸法によっては足し生地が要る場合もあります。仕立てによって別料金がかかる場合もあるので、最初の見積もりと仕立て上がりの金額をしっかり見比べて確認することが大事です。

数ヵ月後に完成

絹着物のお誂えの場合、納入までに3~6ヶ月かかることも珍しくありません。それぞれの工程が専門分化しているので、色替えや抜き紋など作業工程が増えるとそれだけ時間がかかります。通常でも2ヶ月程度は見ておくと良いでしょう。

成人式など「この日に着る」と決まっている場合は、余裕を持って早めに誂えるようにしましょう。誂える際には「いつ着たいか」をはっきり告げて、間に合うように工程を組んでもらうと安心です。

着物は「仕立て上がり」「仮絵羽」「お誂え」といろいろな状態で売られます。それぞれの違いを知らないと、購入後に仕立て代を請求されて驚くことになりそうです。
着物を買う時は、上記の差を念頭に置いたうえで購入するようにしましょう。

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