お茶会に参加をするときの着物の選び方
投稿日:2021年04月07日
着物を着てのお茶会は、風雅で楽しい時間です。一期一会を大切にするお茶会では、何を着て行くか何を持つか、装いにも心を配ってひと時を楽しむのがマナーです。
お茶会に参加する際の着物の選び方と、気をつけるポイントを知っておきましょう。
お茶会に参加するときの着物の選び方
お茶会で一番大切なのは、亭主(もてなす側、お茶会の主催者)とお客様が心を尽くして一緒に過ごす時間を味わうことです。
ひとくちにお茶会と言っても、気軽にお茶をいただく呈茶(ていちゃ)から礼装をして参加する茶事まで、さまざまなタイプのお茶会があります。
気軽な席では大げさ過ぎない装いで、改まったお茶会ではそれなりの格のある着物で、茶席に調和することが大切です。
基本的にどの着物も一つ紋もしくは三つ紋をつけます。五つ紋は席によっては大袈裟になってしまうので、避ける方が無難。何を着て行くか迷ったら、一つ紋の色無地をおすすめします。あらたまったお茶会でも失礼になりませんし、カジュアルな場にもなじみます。
そして、着物を選ぶ際は格が下がらないように帯との組み合わせにも注意しましょう。
あらたまった席に着る着物の色留袖、訪問着、付下げを着用する場合は、基本的に袋帯を合わせます。
色無地、江戸小紋の場合は、袋帯を合わせればあらたまった装いに、名古屋帯を合わせれば気軽な装いになるでしょう。
小紋は、織の名古屋帯を合わせてお稽古や、気軽なお茶会に向いています。
お茶会に参加するときの持ち物
お茶会の種類や流派によっても持ち物に多少違いがありますが、持ち物としては次のようなものを用意します。
懐紙(かいし)
お菓子をいただくときのお皿にします。
菓子切り(楊枝)
お菓子を食べるときフォークの役目をします。
帛紗(ふくさ)
お茶道具を拭いたり、器の下に敷いたりするときに使います。
扇子
相手への敬意を表す道具です。茶席では扇子を前に置いて挨拶をするのが正式です。どのタイミングで置くのか、置く位置などは流派で異なります。
風呂敷もしくは数寄屋袋(すきやぶくろ)
お茶道で必要な持ち物を包みます。
そのほか、白いハンカチ(タオル)、替え足袋や白靴下(洋装の場合)なども用意しておくと安心です。
お茶会に参加するときの注意点
お茶会はもてなし側の亭主と参加するお客様が、お互いに心を込めてひと時を過ごす場です。楽しいお茶会にするためにも、最低限の作法と茶席のタブーを知っておきましょう。
きれいな足元で茶室に入る
亭主がきれいに整えた茶席に入るのですから、汚れを持ち込まないように。着物の場合は足袋カバーをして入る直前に脱ぐようにしましょう。素足で入るのはNG。ストッキングも禁止されている場合があるので洋服では白のソックスを用意します。
時計を外す
時計をしていると「時間を気にしている」という意味になります。くつろいだひと時を過ごしますという意味で時計は外すのがマナーです。
アクセサリーを身につけない
特に金属類のアクセサリーは、茶器を傷つけてしまう可能性があるため身につけないほうが良いでしょう。茶道具は高価なものも多いので、特にブレスレットや指輪など道具に触れるアクセサリーは避けるようにします。
亭主や同席の方への挨拶を忘れずに
難しい作法を知らなくても、お菓子やお茶をいただく時は次の方へ「お先に」とひと言、亭主への感謝を表してその場を楽しめば、失礼にはなりません。
お茶会は堅苦しいマナー試験ではなく、主客が一緒になってひと時のお茶を楽しむ場です。上記を参考に、場に合わせた装いでお茶会へ参加してみてください。