留袖の着付けをするときに必要なものとは

投稿日:2019年09月12日

留袖の着付けをするときに必要なものとは

留袖は最も格の高い、既婚女性の礼装です。ただ格が高いというだけでなく、留袖は、訪問着や付下げとは少し異なった着付けをします。ここでは留袖の着付け方と、着付けするときに必要なものをご紹介します。

留袖の着付けと着物着付けの違い

留袖の着付けは、訪問着や付下げの着付けよりもかなり難しいと言われます。留袖を着る人は、年齢層が幅広く体格もさまざま。若い人は高い位置で帯を結び、年配になるほど低い位置にしめるのが着付けのセオリーですが、その他にも衣紋の抜き具合や衿の開け具合などを細かく調節して、着る人の年齢にふさわしく、留袖らしい格調ある着物姿に仕上げるには技術だけでなくセンスが必要になります。

留袖は通常、比翼仕立てという特殊な仕立て方で作られています。比翼仕立てとは裾、衿、おくみ、袖口の部分が重ね着しているように見える仕立て方のことです。生地が多い分着物も重く、比翼部分のバランスを整えながら着付けるので難易度が高くなります。さらに留袖は、着付けに必要な小物も変わってくるので、小物の合わせ方などの知識も必要です。
留袖を着付けてもらうときは、しっかりした技とセンスと知識を持った技術者にお願いするのがおすすめです。

留袖の着付けに必要なもの

留袖の着付けには、以下のようなものが必要になります。

留袖

留袖の中でも黒地に裾模様を配し五つ紋を入れた黒留袖が最高位、黒以外の地色で裾模様があり、三つ紋か一つ紋を入れた色留袖が黒留袖に次ぐ格になります。

長襦袢

留袖に合わせて長襦袢も礼装用にします。礼装用襦袢は、正絹もしくはポリエステルなど光沢ある生地の「白襦袢」です。

肌襦袢、裾よけ

直接肌につける肌襦袢は、肌触りが良く吸水性に優れたものを選びます。上下セパレートになった肌襦袢の他、ワンピースタイプの和装スリップもあります。

留袖に合わせる帯は、金、銀、白金などを使った格調の高い袋帯です。黒や濃色の帯は締めません。

帯揚げ、帯締め

帯揚げは綸子や総絞りを使うのがおすすめです。最高位の礼装なので帯揚げも色は白が正式です。帯締めは平打ちまたは丸組み紐か、丸ぐけを使用します。

半襟、衿芯

色柄の半襟が人気ですが、留袖の場合は半襟も白。和服では白は最も格調の高い特別な色だということを知っておきましょう。半襟は襟芯を入れて、パンと張らせます。

足袋(白)

もちろん足袋も白です。道中足袋が汚れてしまいそうなときは、スペアの足袋を持っていく気遣いも必要です。

補正用具

地色と裾模様だけで見せる留袖は、着付けの良し悪しが際立ちます。しっかり補正して美しい着姿を作って下さい。

腰ひも、伊達締め

腰ひもは着付けの仕方で必要な本数が変わりますが、4~6本用意すれば大抵の場合は足ります。伊達締めは、長襦袢用と留袖用で2本用意します。

帯枕、帯板

お太鼓をきれいに形作る帯枕と、帯の間にはさんで前面を張らせる帯板は美しい帯を形作るのに欠かせません。

末広(扇子)

慶事では、帯に末広をはさんでおめでたさを表現します。末広は帯から少し見せる飾りもの。ご祝儀を渡すときに末広に乗せることもあります。

草履、バッグ

草履は金や銀など格調の高い色合いが適しています。台と鼻緒は同色で、バッグも同色だとまとまりが良いので、セットで揃えるのがおすすめです。

着物の格が高いだけに、留袖には守るべきルールが数多くあります。着付けをするときには上記を参考に、装いを整えてください。留袖本体や留袖にふさわしい小物は高価なので、一式揃えるのはなかなか大変です。一生に何度も着る機会がないようなら、レンタル着物を利用するのもおすすめ。着物レンタルマインでは、黒留袖や色留袖、小物も各種取り揃えてお待ちしております。

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