どんな着物なら自宅でも洗える? 洗える着物の見分け方と洗い方

投稿日:2021年08月25日

どんな着物なら自宅でも洗える? 洗える着物の見分け方と洗い方

着物を和装クリーニングや丸洗いに毎回出していると、費用がかさんでしまいます。高価な礼装用の着物ならともかく、普段着やしゃれ着なら「自宅で洗ってしまいたい!」と思う方も多いはず。自宅で洗える着物の見分け方と、失敗しない洗い方をご紹介します。

どんなときに着物を洗ったほうが良い?

着物(長着)は1回着たら洗うというような衣類ではありません。肌襦袢や長襦袢を中に着るのですから、洋服でいうとジャケット位の感覚。着た後の基本的なお手入れは、陰干しです。陰干しをして湿気や匂いを飛ばし、しわを伸ばしてたたみます。汚れがついたらその部分だけ、軽くつまみ洗いかたたき洗いをします。
基本的な手入れでは匂いが取れない場合や、染みがついてしまった場合、淡い色の着物が全体的に薄汚れてきてしまった場合には、洗うようにしましょう。

着物も洗うことができる? どんな着物なら洗える?

いまは絹のブラウスなども自宅でクリーニングする方もいますが、絹の着物は自宅で洗うと縮んだり生地の光沢が無くなったりするので、プロにまかせるのがおすすめです。特に金銀箔や刺繍のついたものは、家庭で扱うのはやめた方が良いでしょう。
毛織物(ウール)の着物は普段着が多く自宅で洗えそうですが、これも縮みやすく裏地だけ伸びてしまう場合もあるので、自宅洗いはおすすめできません。
自宅で洗える着物は以下になります。

綿の着物

普段着、しゃれ着用の綿着物は手洗いもしくは洗濯機で洗うことができます。夏着物用の絽も綿絽なら手洗いできます。近年人気のデニム着物も、素材が綿なので洗うことができます。

ポリエステル着物

縮緬に似せた質感のポリエステル100%素材の着物は、洗濯機で洗うことができます。ただし、金銀箔がついたものなどは洗えない場合もありますので、購入時に自宅で洗えるかどうかを確認しましょう。

「洗える着物」表示の化学繊維

綿と化学繊維の混紡など、「洗える」表記の新素材着物が増えています。新素材は、メーカー指定の洗い方を守って洗うようにしましょう。

着物の洗い方

着物を洗う場合は、生地を傷めないように「揉まない」「擦らない」「シワにしない」ことに注意して、洗うようにしてください。ポリエステルは熱に弱く、綿も高温のお湯で色落ちするものが多いので、水か30℃以下のぬるま湯で洗いましょう。また、着物は1枚づつ、別々に洗うようにします。

手洗いをする場合

平らにたたんで、水か30℃以下のぬるま湯の中へおしゃれ着用洗剤を少量入れ、「押し洗い」もしくは「振り洗い」で洗います。汚れが落ちたら水を変えてよくすすぎます。脱水する時は絞らず、バスタオルに挟んで押すか、バスタオルごと30秒ほど脱水機にかけてから干します。

洗濯機を使用し洗う場合

平らにたたんでネットに入れ、おしゃれ着用洗剤を少量入れてデリケートコースで3分程度、すすぎは3~5分程度回します。脱水は、綿の場合は30秒程度、ポリエステルは15秒で十分です。

手洗い、洗濯機いずれの場合も、干す時はシワにならにように形をしっかり整えるのがポイント。風通しの良い日陰に干します。きれいに干せばアイロンなしで着られますが、
綿着物はシワになりやすいのでアイロンをかけると仕上がりがきれいです。ポリエステルは熱に弱いので、アイロンが必要な場合は当て布をして低温でかけるようにします。

普段着、しゃれ着用の着物は、自宅で洗えるものが多くあります。ただし、安易に考えずに慎重に取り扱うことが大事です。自宅で洗うのが難しいと感じたら、和装クリーニングに出すようにしましょう。

一覧に戻る