冬の寒い時期に着物を着るときの防寒対策

投稿日:2019年09月10日

冬の寒い時期に着物を着るときの防寒対策

冬場に着物でお出かけするとき、防寒対策はどうしていますか? 今は電車や車、建物の中などは暖房が行き届いているので、それほど着物で寒さを感じることはないと思います。しかしお寺や神社など、外歩きの多い場所へ行くときは防寒対策が欠かせません。着物の防寒対策は、「中に着る」ことと「熱の出口をふさぐ」ことがポイントです。

冬に着物を着るときの生地の選び方

着物というと絹というイメージを持つ人もいますが、それは冠婚葬祭など行事の場で着物を着ることが多いからです。行事で着る訪問着、付下げ、色無地などはやわらかもの(絹など柔らかく光沢のある素材の着物)になりますが、ちょっとしたパーティーやお出かけならウールの着物でも大丈夫。ウール小紋は暖かく、冬場にぴったりのおしゃれ着です。絹とウールを混紡したシルクウールの着物も、絹のように光沢があり、絹より暖かいのでおすすめです。

着付けのときにできる寒さ対策

着物の防寒対策の1つは「中に着る」ことです。肌着→襦袢→着物(長着)と重ねる着物の、外から見えない部分を暖かい素材にします。洋服と同じく和装肌着にも暖かい素材のものが数多くあるので、寒さに弱い方におすすめです。補正肌着も中に空気の層ができるので保温に役立ちます。
また、着物は下から風が入るので、足元を保温するのも大切です。スタッキング(足袋の下にはく膝下丈のストッキング)をつけて薄手の足袋靴下をはいた上から、重ねて足袋をはくと暖かさが違います。

冬にお出かけをするときに用意したいもの

着物の防寒対策の2つめは「熱の出口をふさぐ」ことです。着物から身体の熱が出て行くのは、肌がむき出しになる「うなじ」と「袖口」と「身八つ口」です。ここを防寒するために用意したいアイテムには、次のようなものがあります。

イヤーマフ

髪を結いあげると耳はむき出し。イヤーマフは耳たぶから熱が奪われるのを防ぎます。

ショールやストール

肩掛けサイズのショールやストールで、うなじと身八つ口をしっかり保温します。

手袋(ロングタイプ)

着物は袖口が大きく、袂が開いているので風が通ります。肘までの手袋で腕が冷えないようにします。これらのアイテムで衿元と袖口をカバーするだけで、体感温度が格段に違います。

雨草履

草履は足袋がむき出しなので、爪先から冷えが上ってきます。戸外を長く歩くようなときは、つま先にビニールフードをつけた雨草履(もしくは草履用雨カバー)をはくのがおすすめ。つま先に当たる風を防いでくれるので、足元の冷え対策になります。

初詣のように戸外で長時間過ごすことが予想される場合は、いっそう防寒を念入りにしましょう。着物の上に道行き(着物コート)やマント、和装ポンチョなどのアウターがあると安心です。歳の暮れのパーティーや新春の初詣など、寒い季節には着物でお出かけする機会が多くあります。上記を参考に着物の寒さ対策をしっかりと、暖かくしてお出かけください。

一覧に戻る